ラオスの絵本 「サルとトラ」
2012年 07月 04日
トラはもりのなかのあばれもの。
サルはいつか、トラをやっつけてやろうとおもっていました。
あるひ、サルはトラにであいました。
サルはいいます。
「トラさん、おもしろいたいこをたたきにいきませんか?」
「おお、いいとも」
にひきはおおきなスズメバチのすのところへやってきました。
「これがたいこですよ」とサル。
トラはきにのぼって、スズメバチのすをたたきます。
・・・どうなったか、おわかりですね。
*
おこったトラは、サルをおいかけていきます。
サルはたけのこをたべていました。
そして、トラにいいます。
「たいこたたきのサルはほかのサル。ぼくはたけのこくいのサルだもの。ところで、トラさん、たけのこをたべませんか?まず、はじめに、トラさんがかわをむいてください」
「おお、いいとも」
サルは、はらいっぱいになると、「こんどはぼくがかわをむいてあげるばんです」と。
ところが、サルは、とげとげのかわのまま、たけのこをトラのくちにねじこんでしまいます。
・・・どうなったか、おわかりですね。
*
おこったトラは、サルをおいかけていきます。
サルはカニをほってたべていました。
そして、トラにいいます。
「たけのこくいのサルはほかのサル。ぼくはカニくいのさるだもの。ところで、トラさん、カニをたべませんか?まず、はじめに、トラさんがカニをほってくださいよ」
「おお、いいとも」
サルは、はらいっぱいになると、「こんどはぼくがほってあげるばんです」と。
ところが、サルは、おおきなカニをつかむと、カニのくちにつっこんでしまいます。
・・・どうなったか、おわかりですね。
*
おこったトラは、サルをおいかけていきます。
サルはみきのまがったおおきなきをささえていました。
そして、トラにいいます。
「トラさん、きをつけて。きがたおれそうなんだ。ぼくといっしょにきをささえてくださいよ。ぼくがつぶれたら、ぼくをたべることだってできなくなりますよ」
トラはサルといっしょにきをささえます。
サルはいいます。
「トラさんがここできをささえているあいだに、ぼくがつっかえぼうをさがしてきます。そしたら、ぼくをたべられるでしょう」
そこへ、カラスがとんできて、トラにいいます。
「まぬけなトラさん、きはたおれないよ」
トラはそうっとてをはなしてみました。
きはそのままたっています。
*
おこったトラは、サルをおいかけていきます。
そのころ、サルはうっかりあなにおちて、でられなくなっていました。
トラはおこっていいます。
「おい、サル。こんどこそ、おまえのことをくってやる」
サルはあわてていいます。
「トラさん、はやくあなにおはいりよ。そらがおちてきたら、つぶされちゃうよ」
そらはくらーくなっています。
トラはあわてて、あなにとびこみました。
でも、あなはちいさくて、にひきははいれません。
トラはえいっとサルを、あなのそとにけりだしました。
そして、いいます。
「これで、そらがおちてきてもだいじょうぶ」
・・・そうでしょうか?
『サルとトラ』2001年、ヤン・サン再話 安井清子訳 福音館書店
kokeko's memo:これまた、どこか親しみのあるストーリー。力では到底やっつけられない相手をこらしめるには「知恵」ですよね。東南アジアの猛獣といったら、トラ。そんなトラが次々とサルにやられるお話に、子ども達は目を輝かせて聞き入ったことでしょうね。"繰り返し"のパターンも、小さな子どもは大好きです。
サルはいつか、トラをやっつけてやろうとおもっていました。
あるひ、サルはトラにであいました。
サルはいいます。
「トラさん、おもしろいたいこをたたきにいきませんか?」
「おお、いいとも」
にひきはおおきなスズメバチのすのところへやってきました。
「これがたいこですよ」とサル。
トラはきにのぼって、スズメバチのすをたたきます。
・・・どうなったか、おわかりですね。
*
おこったトラは、サルをおいかけていきます。
サルはたけのこをたべていました。
そして、トラにいいます。
「たいこたたきのサルはほかのサル。ぼくはたけのこくいのサルだもの。ところで、トラさん、たけのこをたべませんか?まず、はじめに、トラさんがかわをむいてください」
「おお、いいとも」
サルは、はらいっぱいになると、「こんどはぼくがかわをむいてあげるばんです」と。
ところが、サルは、とげとげのかわのまま、たけのこをトラのくちにねじこんでしまいます。
・・・どうなったか、おわかりですね。
*
おこったトラは、サルをおいかけていきます。
サルはカニをほってたべていました。
そして、トラにいいます。
「たけのこくいのサルはほかのサル。ぼくはカニくいのさるだもの。ところで、トラさん、カニをたべませんか?まず、はじめに、トラさんがカニをほってくださいよ」
「おお、いいとも」
サルは、はらいっぱいになると、「こんどはぼくがほってあげるばんです」と。
ところが、サルは、おおきなカニをつかむと、カニのくちにつっこんでしまいます。
・・・どうなったか、おわかりですね。
*
おこったトラは、サルをおいかけていきます。
サルはみきのまがったおおきなきをささえていました。
そして、トラにいいます。
「トラさん、きをつけて。きがたおれそうなんだ。ぼくといっしょにきをささえてくださいよ。ぼくがつぶれたら、ぼくをたべることだってできなくなりますよ」
トラはサルといっしょにきをささえます。
サルはいいます。
「トラさんがここできをささえているあいだに、ぼくがつっかえぼうをさがしてきます。そしたら、ぼくをたべられるでしょう」
そこへ、カラスがとんできて、トラにいいます。
「まぬけなトラさん、きはたおれないよ」
トラはそうっとてをはなしてみました。
きはそのままたっています。
*
おこったトラは、サルをおいかけていきます。
そのころ、サルはうっかりあなにおちて、でられなくなっていました。
トラはおこっていいます。
「おい、サル。こんどこそ、おまえのことをくってやる」
サルはあわてていいます。
「トラさん、はやくあなにおはいりよ。そらがおちてきたら、つぶされちゃうよ」
そらはくらーくなっています。
トラはあわてて、あなにとびこみました。
でも、あなはちいさくて、にひきははいれません。
トラはえいっとサルを、あなのそとにけりだしました。
そして、いいます。
「これで、そらがおちてきてもだいじょうぶ」
・・・そうでしょうか?
『サルとトラ』2001年、ヤン・サン再話 安井清子訳 福音館書店
kokeko's memo:これまた、どこか親しみのあるストーリー。力では到底やっつけられない相手をこらしめるには「知恵」ですよね。東南アジアの猛獣といったら、トラ。そんなトラが次々とサルにやられるお話に、子ども達は目を輝かせて聞き入ったことでしょうね。"繰り返し"のパターンも、小さな子どもは大好きです。
by kokeko-13 | 2012-07-04 14:48 | ラオス文学