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ラオスの絵本 「サルとトラ」   

トラはもりのなかのあばれもの。
サルはいつか、トラをやっつけてやろうとおもっていました。

あるひ、サルはトラにであいました。
サルはいいます。

「トラさん、おもしろいたいこをたたきにいきませんか?」
「おお、いいとも」

にひきはおおきなスズメバチのすのところへやってきました。

「これがたいこですよ」とサル。

トラはきにのぼって、スズメバチのすをたたきます。

・・・どうなったか、おわかりですね。



おこったトラは、サルをおいかけていきます。

サルはたけのこをたべていました。
そして、トラにいいます。

「たいこたたきのサルはほかのサル。ぼくはたけのこくいのサルだもの。ところで、トラさん、たけのこをたべませんか?まず、はじめに、トラさんがかわをむいてください」
「おお、いいとも」

サルは、はらいっぱいになると、「こんどはぼくがかわをむいてあげるばんです」と。
ところが、サルは、とげとげのかわのまま、たけのこをトラのくちにねじこんでしまいます。

・・・どうなったか、おわかりですね。



おこったトラは、サルをおいかけていきます。

サルはカニをほってたべていました。
そして、トラにいいます。

「たけのこくいのサルはほかのサル。ぼくはカニくいのさるだもの。ところで、トラさん、カニをたべませんか?まず、はじめに、トラさんがカニをほってくださいよ」
「おお、いいとも」

サルは、はらいっぱいになると、「こんどはぼくがほってあげるばんです」と。
ところが、サルは、おおきなカニをつかむと、カニのくちにつっこんでしまいます。

・・・どうなったか、おわかりですね。



おこったトラは、サルをおいかけていきます。

サルはみきのまがったおおきなきをささえていました。
そして、トラにいいます。

「トラさん、きをつけて。きがたおれそうなんだ。ぼくといっしょにきをささえてくださいよ。ぼくがつぶれたら、ぼくをたべることだってできなくなりますよ」

トラはサルといっしょにきをささえます。
サルはいいます。

「トラさんがここできをささえているあいだに、ぼくがつっかえぼうをさがしてきます。そしたら、ぼくをたべられるでしょう」

そこへ、カラスがとんできて、トラにいいます。
「まぬけなトラさん、きはたおれないよ」

トラはそうっとてをはなしてみました。
きはそのままたっています。



おこったトラは、サルをおいかけていきます。

そのころ、サルはうっかりあなにおちて、でられなくなっていました。

トラはおこっていいます。

「おい、サル。こんどこそ、おまえのことをくってやる」

サルはあわてていいます。

「トラさん、はやくあなにおはいりよ。そらがおちてきたら、つぶされちゃうよ」

そらはくらーくなっています。
トラはあわてて、あなにとびこみました。
でも、あなはちいさくて、にひきははいれません。

トラはえいっとサルを、あなのそとにけりだしました。
そして、いいます。

「これで、そらがおちてきてもだいじょうぶ」

・・・そうでしょうか?

『サルとトラ』2001年、ヤン・サン再話 安井清子訳 福音館書店

kokeko's memo:これまた、どこか親しみのあるストーリー。力では到底やっつけられない相手をこらしめるには「知恵」ですよね。東南アジアの猛獣といったら、トラ。そんなトラが次々とサルにやられるお話に、子ども達は目を輝かせて聞き入ったことでしょうね。"繰り返し"のパターンも、小さな子どもは大好きです。

ラオスの絵本 「サルとトラ」_a0271420_14483722.jpg

by kokeko-13 | 2012-07-04 14:48 | ラオス文学

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